高校時代、決して真面目とはいえない学生生活を送ったいまいは、付属図書館貸出冊数406冊という、未曾有の大記録をうちたてて、貸出冊数上位記録者に贈られるテレホンカードと図書券と共に、高校を卒業していったのでした。
なぜそんな、400冊という異常な数を読めたのか、その原動力はいまいの授業の受け方にありました、授業中に授業そっちのけで本ばかり読んでいたのです。一日に大体平均五時間前後の読書時間が確保される上に、授業中というのは素晴しく本を読むにはよい環境、動き回れない、基本的に静か、身の安全の保証、集中できる、などなど、とてもよい環境なので、自分と本を読む量は増えていくのでした。
この「図書館とわたし」及び「付録 請求番号付きおすすめ本リスト」は、そんないいかげんきわまるいまいが教育実習生として再び母校へ訪れたとき、全実習生に対して出された、図書館からの「図書館もしくは本にまつわるエピソードを」という原稿依頼に応じて、自分の授業計画なんぞほっぽりだして、一念奮起して書き上げた、お世話になった図書館と司書の浜口先生に対する、一つのオマージュなのです。
もちろんこんなにかいた実習生も他にはいませんでしたし、図書館側もこんなに、まさかおすすめ本リストまで付けて来るとは思っていなかったので、実習生、図書館、現役高校生に驚きを与えた、そんな曰く付きの文章なのです。
なんのかんのいいながら、図書館が好きで、卒業してからも甘えていたんですね。生徒からは「先生は本好きなんやな」と聞かれたりして、でもそんなこんなで図書館への来館者が増えてくれれば、長らくお世話になった図書館と司書さんへの、せめてものお礼になったのではないかと、自分に都合よく考えたりなんかしているのです。
しかし、それにしてもそんな本ばかり読んでいた学生を無事卒業させてくれ、あまつさえそれどころか、実習生として受け入れてくれた、途方もなく包容力のある学校にも感謝です。
98.3.29