D. カスタム S 定点観測:二十二ヶ月目

 D. カスタム Sが完成してからもうじき二年が経つわけだ。果たしてこれだけの期間弾いてきて、どれくらい変わったものか、もしできることならできあがった当初の楽器、一年目の楽器、そして今の楽器をそろえて聴いて確かめてみたいものだが、まあそういうのはもともと無理な話なので考えるだけ無駄だ。

 私は最近は歌を中心に練習していて、つまりこの楽器を伴奏用に使っているのだが、中音域が非常に良い感じに出ていると感じている。高音域や倍音ががんがん出るという感じではなくて、低音に関しても必要以上には出ずむしろ控えめといった印象で弾いてるのだが、しかしこの印象はあまり意味がないかも知れない。

 弾いている最中に身を乗り出すようにすると、楽器の表板の前に頭が出て、普段聴いているのとはまったく違った響きを感じるということがままある。改めてそうやって聴いてみると、この楽器は中低音が太く出ているような気がしてくる。表板全体から、ぼーんとまとまった響きが圧力をもって放射されているという、そんな風に感じる。

 もしこの印象が確かなら、これまでの録音ではこの楽器のらしさというのをやっぱりうまく録れていないのかも知れない。その後指摘いただいたのだが、楽器そばでの吸音だけでなく距離をとっての吸音や反射音なども録るのがいいのかも知れない。とはいっても今はマイクが1本しかないのでそういうのは無理なのだが、自分の耳に自分の弾いている音が正しく聞こえてない可能性もあるわけだから、試してみるのはきっと損にはならないだろう。ただ、それはずっと先の話。とりあえずはあるものだけでやってみるのがいいだろう。


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公開日:2006.09.19
最終更新日:2006.10.21
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