AD-35の復活

 AD-35は私のはじめて手にした自分のギター。突如思い立って、楽器屋に駆け込むようにして買ったギターで、結構気に入っていたのだけれども、アストリアスのD. カスタムにグレードアップしてからは、まったくといっていいほど弾く機会がなかった。だってしかたがない。同じフラットトップ、同じドレッドノート。同じカテゴリにあるギターなのだから、同じ弾くならよいギターを弾くというのが普通だろう。

オープンをやってみた

 なのにここにきて突然AD-35を出してきたのにはわけがある。私はここ数ヶ月、腱鞘炎とでもいうか、手の痛みを感じていて肘の痛みはもう消えたのだけれども、そうしたら今度は右手の甲が痛い。だからあまり練習に根をつめるわけにはいかない。けれどギターは弾きたい。この欲求に答えるために、エレキを出してきてフラットピッキングをやってみたり、でもできればアコースティックの方がいいなあ。そうだ、オープンで弾いてみよう、スライドも持っているのだから。ということでAD-35を思い出した。というのも、スライドをやってみたときにいっていたことであるが、スライド専用にギターが一本欲しいな。順反り気味の、コンディションはちょっとくらい悪くてもいいから、スライドが楽しそうなギターが欲しいな

 AD-35はD. カスタムよりもずっと弦高が高いのだ。

その感想

 AD-35を出してきて、ざっとオープンDにチューニングしてみて、弾いてみたらこれがまた楽しいこと。オープンチューニングでブルースみたいなのを聴いて、ああいうのはどうやっているんだろうと思ってきたのだが、実際にオープンで弾いてみるとわかる。あれはチューニングの個性もあるんだ、オープンゆえの表現であるのだと気付いたのだよ。

 とはいえ、私にとってははじめてのオープンチューニングだから、ちっとも弾けたもんじゃない。けれど、それでも楽しいのだ。左手にはスライドを、右手にはフラットピック。これでがじゃがじゃやってみて、それがすごく面白いものだから、小一時間ほど弾き続けて、あんまりにもエキサイトしたのか、第3弦をブリッジで切ってしまった。ああ、そういえばこの楽器はブリッジで弦を切りやすかったっけと思い出して、だから今度D. カスタムの弦を張り替えたときに、外した弦をAD-35に移植してみよう。あるいは、フォスファーではない弦を買ってきて張ってもいいかも知れない。この面白さは、ちょっと想像以上だった。ちゃんと練習して、それっぽく弾けるようになったらもっともっと面白いことだろうと思う。

 さて、久しぶりに弾いたAD-35だが、思っていたよりも結構音はばーんとでていて、悪くないじゃないか。とりあえず、自分の楽しみのために弾くには充分な音の出で、そばで聴いている分にはD. カスタムの方よりも大きいくらいだ。つまり側鳴りするタイプのギターであるということなのだが、自分の楽しみのためにだけギターを弾くという人なら、こういう安価なギターでも充分じゃないかという思いを強めてしまった。

 いずれにせよ、AD-35はスライド練習用に持って来いかも知れない。とりあえず今はこれで練習して、遊んで、試して、それでもっとちゃんとしたものが欲しくなったらその時に考えたらいい。今は、AD-35の出番が再びあったことを喜びたい。


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公開日:2006.04.22
最終更新日:2006.04.22
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