ドメインBlogを旧に、ともないBloggerを正Blogに

 一日三件を目処に、記事を移行していることとねお試しBlog。本日、ちょっと思うところがあって、kototone.jpドメインにて運用されているBlogを旧Blogに格下げし、Bloggerにて公開されているものを正Blogにするという踏ん切りをつけました。

仕様変更に振り回されるユーザー

 なぜそのような措置に踏み切ったのかというと、本日、いつものごとくユーザーにまったく通知されないまま仕様が変更されたためでした。旧Blogでは、これまでトップページには15記事が、また月ごとのアーカイブでは全記事が表示されていたのですが、その両者ともに最大5記事のみ表示と設定があらためられた模様です。

 正直、この仕様変更は厳しい。今回の変更により、過去記事への遡りがこれまで以上に困難になったと感じます。とその前に、カテゴリ別記事のインデックスの仕様が最低だったことから説明したほうがいいでしょう。

 旧Blogでは、カテゴリごとの記事一覧を開くと、最新の15件しか表示されませんでした。これは、一ページに15件ではなく、最新の15件のみです。こうしたカテゴリ別記事一覧が提供される場合、次のページへと移っていくことで、さらに古い記事を参照できるのが一般的かと思いますが、旧Blogではその遡りが不可能でした。そのため古い記事にアクセスするには、毎月のインデックスを利用する他なく、正直こうした仕様に私は不親切と見通しの悪さを感じていたものです。ですが、それでも月別インデックスにはその月に公開された記事がすべて表示されるのですから、まだましだ。そう考えてきたものの、今日の仕様変更で月別インデックスにおいても表示件数は5件と絞られてしまいました。これはかなわない。過去記事への遡及は、日別インデックスに頼るほかなくなった。

 このツールはもう駄目だ。そう思った瞬間でした。

 一般にこうしたWebサービスでは、どこかに不具合報告であるとか仕様変更に関するお知らせなどが掲載されるものだと思います。ところが、あのBlogサービスに関しては、その考えが通用しません。トラックバックSPAMを受けてレスポンスが極端に低下しても、またアクセス制限が施されたとしても、さらにいえば、多量のコメントSPAMを削除する際にBlogオーナーのコメントを一緒くたに削除してしまっても、まったく通知されません。異常に気付いたユーザーが問い合わせてようやく情報が開示されるといった有り様で、その回答が得られるまでの間、ユーザーは一体なにが起こっているのかと右往左往して、状況を推測しそのあやふやな憶測に基づいて対処する他ありませんでした。

 今回、表示件数を5件にしぼったのは、おそらくはデータベースの負荷を下げるためでしょう。しかしそのために記事へのアクセス性が極端に低下し、私の旧Blogに対する、いやサービスの提供者に対する評価は底を打ちました。これまで、コメントを削除され記事の削除をされても(SDに関する記事はトラックバックSPAMへの対処がなされた際に一度消滅しました)持ちこたえてきたなにかが、音も立てず崩れたと感じました。あるいはもう崩れていたのでしょう。不信に関しては、『眠れる惑星』にてすでに表明しています。

Bloggerはベターだ

 旧BlogからBloggerに軸足を移すと決めて、旧Blog名称に(旧)の表示を追加。正Blogに移行する意思もきっぱり明記しました。

 しかし、そんなにBloggerはよいものなのか? はっきりいいまして、Bloggerにも不満はあります。その不満に関してはBlogを並行運用する理由を参照していただくとして、けれどBloggerにはそのデメリットを上回るメリットがあったということです。正直、Blogの体裁を自分好みに変更できるということが、こんなに楽しいことだとは思っていませんでした。旧Blogではweb拍手ボタンひとつ追加するだけで、かなりアクロバチックな裏技を駆使する必要がありました(JavaScriptでDomを操作しています)。ところがBloggerだと普通に追加が可能です。自分の写真を表示するflickrバッジの追加も造作なく、あれもこれもと追加したくなる衝動を抑える必要があったほどです。また、Blogの文字コードがUTF-8であるというだけでも感動もので、実体参照の利用が制限されていた旧Blogでは使えなかった文字、アクセント記号付きのアルファベットや中国語、さらにいえば>や<といった記号も使える。ささやかなことですが、本当に嬉しいことと思っているのです。

 さっきもいいましたが、Bloggerにも弱い部分はあります。けれど、そうした弱点を挽回できるだけのよさがある。正直もっと早くにBloggerに移行しておけばよかったと、そんなことを思っているくらいです。

 でも、一番のBloggerの利点というのは、それが永続する可能性を秘めているというところかと思います。旧Blogは有料のサービスでした。つまり、私が支払いを止めることで消滅する運命にあるといえます。ですがBloggerは無料のサービスで、仮に私が更新をやめたとしても、更新できない状態に移行したとしても、あれら情報は残り続ける可能性があるのです。GoogleがBloggerを売却したり、あるいは廃業したりしたらなくなるでしょうね。けれど、その可能性は旧Blogを提供するプロバイダがつぶれるよりもずっと小さいでしょう。

 寄らば大樹の陰という思想は大嫌いですが、ですがBloggerに関しては寄ってもいいかなと思えた。そしてそう思えた一番の理由は、締めつけが少ないと感じられることであったのではないかと思います。それとBloggerチームの情報開示でしょうね。要望を受け、新機能追加についてアナウンスし、そしてトラブルがあったらあったと通知する。基本的なこと、当たり前のことに過ぎないかも知れませんが、私にはこの当たり前がとても大切なことと感じられます。


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公開日:2007.07.24
最終更新日:2007.07.24
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