タッチ

 誤って爪を削り落としてしまってからおよそ3ヶ月が経過した。最初はそんなつもりはまったくなかったのだが、結局その時以来ずっと爪は短めをキープして、指頭での弾弦を続けている。指先の固さはまだとれないが、人差し指だけはなんとかそれらしい指になってきた。

 しかし、こうなればこうなったでまた問題が出てくる。音の響きを作るのに、かなり神経を使わなければならないのだ。

浮上してきたタッチの問題

 指頭で弾くようになってきてからの変化をかいつまんでいうと、音がふくよかに響くようになり、ギターの表板にもよく振動が伝わっていることが分かる。弦をよく指でとらえられるようになったのが大きいのだろう。爪で弾いていた時よりも、ずっと大きな音がしている。ただ音の艶は爪に譲る。弾きようにもよるが、目立って分かりやすい音のクリアさは爪には勝てない。

 さて、タッチの問題である。親指、人差し指、中指で弾弦をしているとき、人差し指の音が乱暴に薄っぺらく響くことに気付いた。親指は指頭弾きに慣れているし、中指は指先がまだできておらず、ゆえに音がまろやかに出る。だから現在は人差し指の問題が目立っている。粗野な音がしていて、人差し指の音が浮いてしまっている。

 爪で弾いているときにはおざなりだったと思しい。指先に意識を届かせて、弦をそっととらえ単純に引き抜かないように気を使って弾けば、音はちゃんと鳴ることが分かった。つまり、これまではただ単に指に弦を引っかけて、そのままはじいていただけに過ぎなかった。

 よい音を保ち続けるには、正しい弾き方を指にしっかり覚え込ませるように練習して、癖にしてしまうにかぎる。だから、常の練習――、音階、アルペジオ、どのようなものを弾いているときにも、よい音から外れないよう寄り添い続ける意識を持ち続けることが大切だ。一旦人差し指でできるようになれば、中指薬指で同じことをするのはたやすい。だから、今は人差し指を育ててやる時期と思おう。


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公開日:2004.02.27
最終更新日:2004.03.02
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