サムピック:TABスペシャル

 先日、G7thカポを買った日のこと、くじ引きの価格調整をと思ってなにか軽いものをひとつ買おうと思い、ギター関連品で安いといえばピックだろう。ピック売り場うろついて、そうして選ばれたのはサムピックだった。といってもただのサムピックではない。TABギタースクールの主宰、内田十紀夫氏の監修によるサムピックである。その名もTABスペシャル。まさかこの名前、パロスペシャルからきてたりはあるまいな。

TABスペシャル・サムピック

 サムピックというと、大抵プラスチック製のものが思い出されるのではないかと思う。装着すると、親指の関節から細身のピックがぬっとつき出す。実は私はこういうタイプのものも持っていて、タカミネのロゴの入っているやつ。けど、これ、別にタカミネが作ってるわけではないだろう。まあこのへんはどうでもいいことなんだが、いずれにせよこのサムピック、ほとんど使ってこなかった。もともと私が指で弾いてきてそちらに慣れているのが原因なんだろうが、サムピック使うと、指に弦を感じない。だからどうにもしっくりこなくて、そんなわけで使ってこなかった。

 なのに、なぜここでサムピックをまた買ったのだろう。くじ引きの価格調整(千円に足りない端数にこのサムピックの価格を足したわけだ)にというが、それでもいらないものはいらない。つまり、このサムピック、以前から興味があって、機会があったら欲しいと思っていたのだ。

 このサムピックの特徴は、目立つところからいうと、指に取り付けるベルトがゴムでできているという点だろう。そのため指にしっかりと固定され、動きにくい、ずれにくい、のだそうだ。そしてもうひとつの違いは、ピック部分にスリットが設けられることで、しなりやすさが違う。一般のサムピックというと、しっかりとしたプラスチックの爪ががっちりと弦を捉えるという、そういう印象があったが、TABスペシャルはというとスリットのおかげでよくしなり、弦をリリースしやすいというそういう感触がある。

 しかし、この感触については好き好きかも知れない。従来のサムピックの、硬いがしかし強い音の出に慣れている人にとっては物足りないかも知れない。けれど、そうした強すぎる音に不満を持っていた人にはよいピックになるのではないだろうか。このピックを付けて弾いてみたとき、そのソフトさに驚いてしまった。もうちょっと出てもいいかと思ったが、これはおそらくは慣れの問題で、私があまりにサムピックに慣れないものだから、うまく弦を捉えられないのが原因だろう。だから意識的にピックが弦にまっすぐ当たるよう弾いてやると、弱すぎるというような印象は消える。音の出に対するコントルールもしやすいように思う。しかし私はどうもこうした弾き方には慣れていないから、どうもしっくりいかず、だからやっぱり指で弾いてしまうのだ。

 もしこの先、指で弾く以上にしっかりとしたベース音が欲しいと思ったときなどに、このピックを使うこともあるかも知れない。あるいは従来型のサムピックを選ぶのかも知れないが、いずれにせよ選択肢のあるということはいいことだ。


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公開日:2007.06.02
最終更新日:2007.06.02
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