足腰の痛み

 最近、足腰が痛い。って随分年寄りみたいなことをいって情けない限りであるが、痛む部位というのが左足付け根から腰周辺にかけて。つまり足台を使っているがゆえの痛みである。

持続する痛み

 以前の足台に関する文章を読んでみると、すでに痛みに関する言及があった。長く弾いていると左足付け根に痛みを感じる。左足を上げることで体重のかかるバランスが悪くなるのだろう。そもそも演奏中は若干前傾姿勢になっているので、いやおうなしに体重は前に前にかかる。そこへ足をあげるものだから、勢い左側へのかかりが強くなる。真上から観察すれば、左前に傾いているはずだ。

 左前とは縁起が悪いが、冷静に観察すればそうであるのは間違いない。こうしたアンバランスな状態で弾いていれば、体重を支え姿勢のバランスをとる筋肉に負担がかかるのは当然で、これが足から腰にかけての痛みなのだろう。そんなにひどく痛むわけじゃないが、痛いよ。じんわりと長く痛むようになってしまって、風呂で暖めて痛みを緩めている。それでもなお痛いから湿布でも貼ろうかと思っている。

解決への模索

 解決というほどではないが、望ましくないアンバランスな状態を回避するにはどうしたらいいのだろうか。ふたつほど考えてみた。

姿勢を変える

 姿勢を根本的に変えてみるというのが一点目である。一般的にポピュラー系ギターで行われている、右の腿にギターを置くというやり方だ。以前はどうしても安定しなかったこの構え方だが、長く弾いてるというのはたいしたものである。今では、この姿勢でもさして問題なく弾けるようになっているのだ。とはいえ、コード弾き中心とかならいいのだが、ハイポジションまで使うようになるとさすがに不安定である。やはり演奏性を考えるとクラシカルスタイルに軍配が上がる。手首を無理にひねる必要もないから、小指の運動性もクラシカルスタイルの方が優れている。

 ポピュラースタイルというのか、右腿に楽器を載せるやり方で弾いてみると、カッタウェイのありがたみが分かる気がする。私の普段弾いているギターはカッタウェイではないので、ポピュラースタイルでハイポジションを弾こうとすると無理な前かがみになってしまう。ちょっとヘッド落ちぎみにもなれば、そもそもが弾きにくい。

 だもんで、ローコード中心のスリーフィンガーとかやるときならともかく、普段はやはりクラシカルスタイルのほうがいいなと思っている。

器具の導入

 もうひとつの回避策というのは、ギターレストの導入だ。ギターレストというのはギターに取り付ける支持具である。楽器のボディに吸盤ないしクランプで支持具を取り付け、人間の足の側には湾曲したプレートが付けられている。ああ、写真で見たほうがはやいね。ギター専門店FANAギターレストのページを紹介しておこう。

 FANAのサイトを見回ってみると、一口にギターの支持具といってもいろいろな種類があることがわかる。問題のギターレストがあれば、クッション型の支持具もある。形状を工夫したものもたくさんあり、このあたりは自分の好みや楽器との相性を見て選ぶのがよいのだろう。

 支持具を使うことで、足台を使わないでもギターを安定させることができるようになる。問題は私のギターがドレッドノートであるということで、おそらくクラシックギターを想定して作られている支持具のいくつかは具合が悪いだろう。実際にギターを持ち込んで試してみるのがいいのだが、行きつけの店にはギターレストなんて置いてただろうか。まあ、ちょっと探してみれば見つかるものだろうから、本当に欲しいと思えば買いにいけばいいだけの話だ。

結局

 とか考えてみるだけ考えてみて、実際にはどちらも試さないのが私という人間なのだ。ギターレストはよさそうだが、姿勢の自由度は少なくなりそうだ。楽器の傾きを変えるのにねじを触って調整したりするのは好きじゃない。いや、実際に使ってみればもっと気楽につきあえるものだとは思っているのだが、ギターと自分の間に介在するものは少ないほうがいいと考える、原始的な人間が私なのだ。

 そんなわけで、クッションでも奢ってみるかなあ。ロッコーマンが扱っているというテンピュールのクッションというのはどんな感じなんだろうか。テンピュールの開発背景を考えれば、うまく体重を分散して保持し、左足付け根への負担を軽減してくれるはずなのだが、少々お高くておいそれと手が出せない。


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公開日:2004.08.30
最終更新日:2004.08.30
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