楽器拭きのクロス

 練習後には楽器を拭ってからしまうのがまあ普通だと思うが、この布、どんなのをお使いだろうか。私が使っているのは、もう10年以上前に買った、楽器用のクロスだ。10年前! けれどなんら遜色なく使えていて、まさに愛用のクロスなのだ。

洗えるクリーニングクロス

 楽器を拭くためにはセーム革がいいなんていいますな。セーム革というのは鹿皮のことだと思っていたんだが、調べれば羊革のものもあるみたいでよくわからない。吸水性に富み、油汚れや曇りなどもきれいにふき取ることができるということで、楽器だけではなく、カメラや時計といった製品の掃除にも使われるものだ。けれどセーム革はちょっと高めなので、なかなか買いにくい。いや、昔家にもあったんだけど、緑青でひどいことになってしまったから、さすがに捨ててしまった。

 さて、私が使っているクロスはセーム革ではなく、多分化学繊維を用いた布だ。サクソフォンを買ったときに、一緒に買ったのだ。今はなき、十字屋御池店Apexでの買い物だった(なので、Apexの店名が入っている)。

 眼鏡拭きを想像してもらえればいいと思うのだが、極微細繊維でできているため、汚れをきれいに拭き取ることができるというしろものだ。もちろん眼鏡拭きよりも厚手でサイズも大きい。楽器を包むようにして拭けるので、ネックの掃除には具合がいい。

 このクロスのいいところは、シリコンやその他薬品を使っていないということである。変質等、楽器に影響を及ぼすことがない。汚れれば洗える。洗っても品質に変化がないといったところが利点だろう。

 こうした長く使えるという性質は、まさに私の場合に顕著で、つまり10年使っているということはそういうことだ。最初はサクソフォンに使い、カメラを磨き、スキャナのガラス面をきれいにし、液晶ディスプレイのほこりを払い、そして今、ギターを拭いている。

洗濯

 この度、新しくギターを買ったものだから、心機一転クロスを洗濯した。洗剤は天然素材が嬉しい同人石鹸(←ブランド名と違う)、えーと、ぱすてるがーでんさんの白樺樹液&ヨーグルト。普段は手洗いに使っていて、こうした洗濯に使うのはちょっともったいない気もしたのだが、まあしっかり汚れをとり、かつ成分が公開されているのが嬉しい。クロスに、むやみに香料が残ることもないだろう。変な漂白剤なんていうのも入っていない。こういう点は、非常に優れていると思う。

 石鹸を付けてもみ洗いしたら、驚くほど汚れが出てきて驚いた。何年も洗っていないとか、そういうことはないのだが、普段の使用でそれだけ汚れを吸い込んでいたのだろう。しっかり洗い、汚れがもうでないというくらいまで洗って、よくすすぐ。そして陰干し。

 これだけの手間で、クロスは見違えるようにきれいになって、ちょっとくたびれた感じもあるが、それが逆に味になってよろしい。うむ、使い古した布の方が、楽器を拭くには優しかろう。そんな理由で、せっかくもらった高級クロスは、全然使わないでいるのだ。


こととねギターサイドへ トップページに戻る

公開日:2004.11.25
最終更新日:2004.11.25
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。