ロッコーマンにいってきた、その三

 国産メーカーにギターをオーダーしようと思い立ち、とりあえずしぼったのがK. Yairiアストリアスシーガル弦楽器工房の3ブランドだ。最終的にアストリアスが選ばれた理由とはなんだったのか。アストリアスに決めた理由、その三。

地理的条件

 私は基本的に根性なしの出不精なのだが、なにか明確な理由がひとつできれば、途端に行動派になるという奇妙な傾向がある。ゲームしに埼玉にいったり漫画のイベントにいってみたり、とにかく私は自分が動くタイプなのだ。なのでギターをオーダーするなら、自分がその場にいってみたかったのだ。例えばヤイリなら岐阜、アストリアスなら久留米、シーガルなら愛知か。遠いなあ。

 工房にいきやすいというのは意外に重要なポイントである。楽器に不具合が出たとき、修理を頼みたいときなど、工房に持ち込むのが手っ取り早くしかも確実だからだ。NHKの人間ドキュメントに、ヤイリの工房にギターを持ち込んで調整してもらう場面があった。そのギターの特性を知っている人間の手によるのだから、工房に持ち込みやすいというのはとにかく大切なポイントと思われたのだ。

 そういうわけで、最初に有利になったのはシーガルだった。だって愛知は岐阜よりも久留米よりも近いから。そうはいっても結構な距離がある。本当は関西、京阪神くらいで探したかったのだが、なかなかピンとくるところがなかった。だから最初の躊躇は距離であった。

ブレイクスルー

 この地理的な問題を解決したのが、まさにロッコーマンという楽器店だったのだ。ロッコーマン――、アストリアスの取り扱い店であるこの店は、アストリアスの窓口としての機能を担っている。そして重要なのはその立地である。神戸。最寄りの私鉄沿線である。電車で一時間ほど揺られるだけでいいのである。

 掲示板ではアストリアスのギターに関する質問、オーダーに関する問い合わせなどが活発に行われている。その和気藹々とした雰囲気は初心者にも親しみやすく感じられ、またアフターケアがしっかりしていることも充分に分かる。特にシリアルナンバーを伝えれば製造年月日をはっきり答えてくれるという点などは、すなわち商品管理がしっかりなされているということであり、こういう根幹のきっちりしているところからは、他のいろいろに対してもいい加減なことはないだろうという好感が持てた。

 きっとヤイリにしてもシーガルにしても、その他の数多あるギターメーカーにしても、いい加減なことはしていないだろうし、実際様々な情報を集める過程で、良心的な価格設定、万全のアフターケア、そして品質の高さは充分にわかっていた。それでもあえてアストリアスに決めたのは、ロッコーマンの存在が大きかったからだと言いきって構わない。

理由、もう一点

 実際の話、清水和彦さんのサイトの存在も大きかった。個人サイトにして、かなりの充実した情報が提供されている。

 このサイトや他のアストリアスを紹介するサイトの、アストリアスギターに対する思い入れに感じ入ったのだ。これだけのファンがあるギターなら、きっと私にしても間違いがないと思った。特にあのデータ実証主義の人、清水さんが気に入っているのだ。あの人が気に入ってるんだから、きっと私も気に入るだろう。

 いい加減な理由みたいだが、同傾向を持つ人間は好みも似るのである。こりゃもう間違いないよ。

 そんな理由で選んだのがアストリアスギター。あ、そうだ、もう一点あった。ほら、やっぱりクラシック出のギターメーカーというのはいいなと思ったんだわ。実際自分もクラシック出なもんだから、きっと気に入ると思ったのさ。


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公開日:2004.07.13
最終更新日:2004.07.22
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