音楽科 学習指導案

1. 指導日時

2. 場所

3. 学級

4. 学級観

 男子女子ともに、歌おうといういう意欲が見えるクラスである。積極的な態度と、落ち着きを兼ね備えており、比較的読譜力も高い。

5. 題材

6. 題材設定の理由

 カラオケというものが普及したことから、一般的に歌を歌う機会が増え、特別なことではなくなってきている。そこでこの講座では、一般的に歌われやすい、ポピュラーソングを取り上げたいと思う。普段は楽譜などを使用することなく、聴き覚えた曲を歌っているが、ここでは楽譜に基づき、ポピュラーソングの表現を考えていくという試みを行う。

7. 教材

「Sweet Memories」
作詞:松本隆 作曲:大村雅朗 編曲:源田俊一郎
ヘ長調 四分の四拍子
「いとしのエリー」
作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:源田俊一郎
変ロ長調 四分の四拍子

8. 教材観

 Sweet Memories は、1983年にリリースされた曲であり、CMでも使われたことから大ヒットした。現在でも、ピアノに編曲された版が出版されるなど、比較的有名であり、スタンダードなものになりつつある。

 いとしのエリーは、1978年にリリースされている。テレビドラマに使われたこと、またレイ・チャールズ等によってカヴァーされたことなどから、長期的にヒットし、これもまたスタンダードナンバーになりつつある。

 2曲とも、生徒にとっては聴きなれた曲であるため、歌いやすいという利点がある半面、自己流の歌い方をしている可能性がある。授業では、楽譜にそくして歌えるようにすることを基本とし、さらに発展的な表現をできる力を身につけさせたい。

9. 指導目標

 普段聴きなれたポピュラーソングであるが、ただ歌うだけではなく、表現方法を考えていくことにより、歌唱の効果を上げることができるということに気づかせる。

10. 指導計画

第1次

 比較的よく歌われている曲であることから、確認の意味で、両曲とも歌唱させる。2声に分かれる部分があり、その部分が正しく歌えるようにさせる。

第2次(本時)

 この2曲を歌唱させていくなかで、それぞれの曲にふさわしい表現を考えさせる。それを実践し、その上で完成させる。

11. 本時の目標

 Sweet Memories において、前回の課題がすべて終えられていないため、まずそれを解消させる必要がある。その後、2曲の表現を考えていき、実践していく。歌詞と曲想の結び付き、さびの部分へ向かう力など、音楽的な面、また音楽外的な面からの様々なアプローチを考え、それぞれの曲で実践する。

12. 学習の展開

段階 指導内容 学習活動 指導上の留意点
導入 (10分)  授業を開始する。    
   生徒を、教室前部(ピアノ側)に集める。  教科書と椅子を持ち、教室の前部に集まる。  
   生徒を立たせる。  生徒、起立する。  
   前回の復習および、発声の準備をかね「いとしのエリー」「Sweet Memories」を歌唱させる。(必要に応じ、それぞれをピアノにて演奏した後、歌唱に入る)  必要に応じてピアノによる演奏を聴き、前回の復習および発声を準備する意味から、歌唱する。  この歌唱の際に、現時点での到達度を観察し、その度合いに応じ、前時の譜読みを完成させる。
   生徒を座らせる。  生徒、着席する。  
展開 (30分) 「Sweet Memories」    
(5分)  前回に消化できなかった部分である、英語の歌詞による部分を練習させる。その部分が歌えるようになれば、斉唱の形で、一度通して、歌唱させる。  英語の歌詞による部分を、抜き出して練習、歌唱する。
 その部分が歌えるようになれば、斉唱の形で、一曲を通す。
 “nights thinking of you” という歌詞を持った箇所が難所であるため、符の分け方を説明する。
(10分)  一通り歌えるようになった時点で下声部を付け、2部合唱へと発展させる。  2部合唱になっている部分を抜き出し、集中的に練習、歌唱する。  
 生徒を立たせる。  生徒、起立する。  
 音楽表現を考えていく。歌詞の面からと、音楽の面からの、複数のアプローチを試みる。  歌詞による表現の解釈、音楽自体からの解釈を行い、それを実践するべく歌唱する。  本来ならば、生徒からの自発的な解釈、意見を採用するべきであるが、生徒からの発言がない場合は、教師が指示する必要がある。
   前半は同一フレーズが何度もくりかえされる。和声の変化による変化を付けていく。
 6小節目の跳躍に向けて、発展させていく。
 さびの部分の和声は漸進的な動きを持っているため、それを生かす。
 
 生徒を座らせる。  生徒、着席する。  
(15分) 「いとしのエリー」    
 2部合唱のための復習として、下声部を歌唱させる。復習および、確認がすみしだい、2部合唱へと発展させる。 2部合唱になっている部分を中心に、練習、歌唱する。  練習時間を短縮するため、この練習では、メロディーでない部分、および、歌唱が困難な歌詞の部分の練習を、一括して行う。
 音楽表現を考えてさせる。1番から3番までを別々のものとしてとらえるのではなく、ひとまとまりのものとしてとらえ、一連の大きな流れのなかでの、歌唱表現を試みる。  大きな流れのなかでの表現を試み、それを実践するべく歌唱する。  
   前半部分は同一のリズム形を持つ順次進行であり、落ち着いた、語りのような効果を持たせる。
 後半部は、シンコペーションが特徴的であるので、このイントネーションを生かしたい。
 1番から3番へいくにしたがって、歌詞の小節あたり文字数が明らかに増えていること、その歌詞の主体が変化していることなどを理由に、解釈を試みる。
 
 生徒を立たせる。  生徒、起立する。  
まとめ (10分)  今まで行ってきたことをふまえ、全曲を通して2部合唱させ、まとめとする。  今まで行ってきたことをふまえ、まとめとしての歌唱を行う。 今まで行ってきたことができているかを、確認しつつ、歌唱させる。

《御高評をお願いします》


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公開日:2004.02.28
最終更新日:2004.02.29
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