Wizardry

今度こそ冒険の始まり

Entering the Proving Grounds of the Mad Overlord

 冒険者が揃いパーティも組み装備も整ったならば、もう後は迷宮に潜るしかないよね。というわけで、いよいよ冒険=モンスターとの戦闘の開始であります。

 といっても、レベル1の冒険者というのはもう心底弱いわけで、最初はそれこそ、潜る→扉蹴破る→敵遭遇→強いと思ったら逃走、勝てると思ったときだけ戦う、の繰り返しでしかないんですよね。戦闘は、それこそなにはなくともKatino(敵を眠らせる呪文)頼りで、だからこいつが効かない敵に遭遇すると大騒ぎ。アンデッドコボルドなんてのが5体もあらわれたら結構なピンチです。逃げるか戦うかの選択をしないといけないわけで、レベル1というのはそんなくらいの強さであるといえば具体的にわかりやすいんじゃないかと思います。

 それでもアンデッドコボルドならなんとかなるんです。こいつらアンデッドは、僧侶の能力ディスペルを使うことで、もとの死体に戻してやることが可能です。残念ながらディスペルで始末した分の経験値は得られないんですが、それでもまずは死なないことが大切です。敵の数をとにかく減らし、1体でも2体でも倒せれば御の字。勝った。宝箱が出たら盗賊に開けさせるのだけど、これがまた危なっかしくて、毒針に引っかかったくらいのことで死にかねない。地下1階入り口付近の玄室での話ですよ。とにかく初期HPが8しかないから、毒を食らえば8歩で死亡。それまでの戦闘でDios(回復の呪文)を使い切ってたりなんかしたら、いきなり救援要請をしなければならないような状況に陥る。ああ、駆け出しの冒険者とはこんな程度の連中なんです。

 当初の目標は、魔術師がMahalito(敵複数を攻撃できる呪文)を覚えるレベル5といったところでしょうか。これくらいまであがれば遠出してもなんとかなるでしょう。だから、それまでは、潜って一二回も戦えば街に帰って休息。それの繰り返し。非常にしょぼく感じられるけれど、これを我慢できない人はWizardryに向かない人だと思う。地味な戦闘を厭わず、危険と思ったら退くという選択がWizardryで生き残るコツであろうかと思います。

 さて、敵を倒したら宝箱が出ることがあります。ワンダリングエンカウンターといわれる、うろうろ歩き回っている敵(Wizardryではこういうのは非常に少ない)は宝箱を持たないのですが、プランドエンカウンター(玄室を守っている敵)を倒すとまず宝箱が出てくることになっているので、こういうときが盗賊の出番。しかし、レベル1の盗賊は罠の解除に失敗して死ぬことが非常に多い。その危険を顧みず開ける必要があるかどうか? 私は開けてしまうんですね。小銭やちんけなアイテムのために、命を失う可能性を賭けてしまうのです。

 幸い、地下1階の罠はたいしたことがないので、盗賊は今だ健在。ただ結構引くことは引いちゃうんですね。ポピュラーなのは毒針。数が多い分、しくじって毒を受けることもまた多く、さっきもいったとおり、毒が回って死ぬことも充分あり得る危険な罠です。

 第2パーティの盗賊Heresieがよくやるんです。優秀さでいえばなぜか第1パーティのAllegoriが群を抜いていて、罠の鑑定のしくじりも少なければ、解除失敗も少なくて、ところがHeresieは見当違いの罠だといってみたり、それ以前に触った瞬間に罠を発動させたりと、とにかくよくやられます。参ったなあ。素早さでいえば1ポイントしか違わないんだけどなあ。運はHeresieが一番いいはずなのに、運では罠は解除できないのかあ。と、彼はすっかりおっちょこちょいキャラクターとして定着しつつあります。

 地下1階では絶対でない類の罠があります。テレポーターや各種ブラスター。しかしHeresieは、この宝箱にはそいつらがかかってるようだという。あんまりにうさんくさいから、回りがやめとけやめとけ、どうせ毒針あたりだろうから、そう思って開けろよといって、最初の数回は確かにその作戦が功を奏したのですが、スタナーだと思う、いやどうせ毒針だって、おおっと、スタナー。ってことがあって第2パーティのメンバーは考えを改めました。どんなにうさんくさくても、Heresieのいうことを信じよう。冒険初期に麻痺の治療費を払うのは非常にきつくて、まあとにかく僧侶がCalfo(宝箱の罠を見抜く呪文)を覚えるまでは、Heresieの好きにやらせようじゃないかということになったら、今度はもう罠を見抜くどころではなく、触れた瞬間に罠を発動させるようになって、まあ毒が一般です。あとは石弓の矢とか爆弾とか、けど幸い、死ぬまでにはいたらなかったから運がよかったのでしょう。

 レベル2の時の話。迷宮入口から一番近い玄室で毒針を引きました。体力の減少を心配しながら、恐る恐る出口に向かって進むのですが、1歩歩くごとにHPは-1されます。後1歩で出口だ、というその時点でHPが3ポイント、1歩踏み出して2ポイント、そこで敵と遭遇したのでした。

 戦闘開始とともにHPは1にまで下がり、僧侶は前衛後衛を問わずDios態勢にシフト。Heresieがなんとか持ち直したのを見て敵を殲滅、事無きを得ましたが、こうしてまた第2パーティに新しい教訓ができたのでした。

 曰く、横着はしない。早め早めにHP回復。

 いや、普段は私もそのように心がけてるんですが、今回はなにぶん毒が回ってたわけで……。いや、こんなのはいいわけにもなりませんね。ほんのちょっとの手間を惜しむことで、多大な被害が出かねない。それがWizardryであると思います。


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ノーリセットで駆け抜ける青春:Index 「Wizardry」リセットボタンのない人生(仮)

公開日:2006.08.13
最終更新日:2006.08.14
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