戦いの火蓋が切って落とされた。第一戦はゼネスとの戦いだ。
最初の手持ちカード四枚が以降の戦いを左右する試金石となる。刮目して、カードを開いた。
さっと目を走らせ、クリーチャーを確認する。色は二色……ミノタウロスとハリケーン。
弱った。まったくの裏目ではないか。水地属性にかけていたというのに、火風属性とは。まったく予想外の展開にくらくらする。
とはいえ火風属性がまったく不利というわけでもない。なにしろ風属性にはアイテム破壊能力を持つ超強力クリーチャー、グレムリンがいる。単体ではともかく、武器、スクロールと組みあわせることによって、かなりの働きが期待できるはずだ。だが、グレムリンのSTは20。ロングソードと組みあわせてもST50が関の山だ。スクロール、ウィンドカッターも終盤のHPの高いクリーチャー群相手ではいまいち決め手に欠ける。地属性強打も、概してHP高目の地属性クリーチャー相手では荷が重い。カードは運用次第といえど、グレムリン、序盤ではともかく、終盤では使いどころに悩むことになるだろう。
火属性クリーチャーでは、ガスクラウドに期待できそうだ。50%無効化によって、なまじHPが高いだけのクリーチャーよりも防御に優れている。高レベル土地に配置した場合、レベル4で140まで、レベル5だと160までのダメージに耐えることが出来る。普通に考えた場合、高レベル土地に巣くっているガスクラウドを屠ることは不可能に近い。
しかし、弱点もある。スクロールに無効化能力は働かないので、HPが30しかないガスクラウドは耐えることが出来ない。しかも不死属であるガスクラウドはレザーアーマーを使えない。ガスクラウドを主力と捉えるならば、シャッターでどれだけ敵のスクロールを破壊できるかが勝負の分かれ目となるだろう。
土地の守りは防御型クリーチャーのピラーフレイムとハリケーン、そしてガスクラウドとグレムリンでどうにか出来そうだ(高レベル土地のグレムリンは、実に攻めにくい)。ただ、さきほどもいったとおり、ガスクラウドはスクロールに弱い。さらに、HP30の両クリーチャーはイビルブラストの一撃で消されてしまう。そういった点で、特に終盤での過信は禁物だろう。
心配事といえば、火属性のドラゴンフライだ。こいつにいたってはHPが20しかない。イビルブラストどころかマジックボルト一発でアウト。こいつがうまく標的になってくれるとありがたいのだが、期待するだけ無駄か。
戦略が決まってきたところで、ゼネスをあっさりと撃破。そりゃ、第一戦だもの、負けるわけがない。
といっても、使えないんじゃ仕方がないんだけど。