シリーズ La vie avec iMac (Mid 2007)

VirtualBoxでWindows 95環境を作る

 無料で使える仮想化環境があるということはわかりました。なのでちょいとWindows 95の動く環境を用意してみようか、そんなことを考えて、今はVine Linuxのはいっている、そして放置されている富士通FM V-DESKPOWER SEに付属していたWindows 95のCD-ROMを出してきたのでした。それと同時に、日立FLORA Prius note 210hも用意。というのは、今うちの環境で、FDの読めるコンピュータは少数派になっていまして、LC 630とFLORA、そしてFM Vだけしかないんですね。これからやろうというのは、DOSのFDのイメージ化です。その作業内容に適したのはどれかというと、おそらくはWindows 98のインストールされているFLORAだろうなと思った。そうした理由で、FLORAが引っ張りだされてきたのでした。

 Windows 95をインストールするために必要となるFD、こいつをまずはイメージ化しないことには始まらない。なので、RawWrite for windowsをダウンロードしてきて、イメージを作成。それをiMacに送りこんで、ちゃんと読めることを確認。この時点でVirtualBoxはダウンロード及びインストール済。VirtualBoxはいかにも再起動を要求しそうなソフトであるのに、インストール後すぐに使えて、これはなかなかにいい印象でありました。

 VirtualBoxを起動して、最初の仮想マシンを作成。ダイアログには適当に答えていって、そうしてできた仮想マシンのFDにさっき作成した起動FDをマウント、CDはiMacのCDドライブを指定して、もちろんWindows 95インストールCDがマウント済。これで後はインストーラまかせにできると思ったら、そうは問屋が卸しませんでした。

 なんと、iMacのCDドライブがDOS環境では認識されないのですね。まいったなあ。こういう場合はドライバを用意しないといけないのでしょうが、VirtualBoxごしにiMac内蔵のドライブを認識させるためのドライバというのは、ちょっと思いつきません。けれど、ここまできて引き返す気にはなれません。なんとか、別の手を考えよう、そう思ったのでした。

 別の手、それはインストールCDの内容をハードディスクにコピーし、そこからセットアップするというものでした。もうひとつディスクイメージを作成して、FDISK及びFORMATで使えるようにする。次いで、UbuntuVirtualBox用仮想マシンをダウンロード。そう、UbuntuでCDをマウントし、インストール用に用意したディスクイメージに内容をコピーしてやろうというのです。この作戦は思った以上に有効でした。データをコピーして、FDからDOSを起動。D:ドライブに移動し、setupと打ってやると、問題なくインストーラが動き、Windowsのインストールができたのでした。

 Windowsが動くようになった。ここまではOKです。ですが、音が出ません。VirtualBoxはICH AC'97かSoundBlaster 16を仮想化できるのですが、ICH AC'97だとプラグ&プレイで見付けてくれるもののドライバが入らない。SoundBlaster 16だと、プラグ&プレイで見付からない。困った。けれどこれは、コントロールパネルのハードウェアだっけ? あれでハードウェアを検索してやるといいんですね。この方法に気付くのにえらく手間取りましたが、まあWindows 95のセットアップなんてはじめての経験ですから。かくしてSoundBlaster 16の認識に成功して、音が出るようになりました。

 これで完璧だ。そう思って、問題のゲーム、『Natural — 身も心も』なんですが、そのインストールディスクを持ってきて、インストールを開始。もう、嬉しかったですね。もう会えないと思っていた千歳に会える! そう思ってインストールされる様子を見守っていたら、あれれ、なんか色が変ですよ。ああ、そうか。ディスプレイの設定を変更してなかった。そう思ってディスプレイのプロパティを見たら、なんと16色までしか出ないときた。まいったなあ。これは、ビデオメモリを増やせばいいのかな? そう思ってビデオメモリをデフォルトの8MBから16MBに増量。しかし16色以上にはならない。ドライバのせいかと思ってあれこれ試してみるも、解像度こそは変るのだけど、色の深度は変らず。思いあまって、VRAMを64MBにまで増やしたら、音の再生がおかしくなって、ああまいったなあ。ここで、『Natural』の要求するビデオメモリを確認しようと調べたらですね、なんとこれダウンロード販売されているらしい。なんてこった。そうならそうと、はやくいってくださいよ。

 この事実は、私の仮想環境への興味を失わせるに充分でした。私はおもむろにディスクイメージ他を処分すると、VirtualBoxをアンインストールして、ついでにiMacを再起動。いやね、たまにVirtualBoxの動作がおかしくなるのか、仮想マシンを終了できなくなったり、はてはVirtualBox自体が起動しなくなったりしたものですから、これはいかんなと思っていたところだったんです。一度おかしくなると、iMacを再起動しないと駄目なようで、やっぱり仮想化は難しい。こうしたシステムになにか影響を与えそうなものは、常用したくないな、そういうことを思った矢先だったのでした。

 でも、いい経験になったと思っています。それになにより夢があった。夢の原動力こそは失われてしまったけれど、それはまた違うかたちで実現されることとなりました。より安易な、けれどより確実な方法によってですね。ええ、『Natural』、買いました。そりゃそうだよ。このゲームを動かしたい一心での仮想化だったんですから。買うに決ってるじゃないですか。でも、買ったはいいけど、まだダウンロードはしてなくて。いや、もう安心してしまったってことなんだと思います。


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公開日:2008.12.13
最終更新日:2008.12.13
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