きっと来てすぐ後戻り

 こととねは、一部にフランス語によるコンテンツを抱えてはいるものの、基本的には日本語によって書かれる、日本語話者向けのサイトです。別に他言語話者がきちゃいけないというつもりもまったくないし、自由に見て、読んでくれればいいとも思ってはいるのですが、まあ実際問題として、日本語というローカル言語で書かれているという時点で、他言語話者にとってはかなり高い障壁があるというのが自然でしょう。もし、この先将来、例えばGoogleが今現在提供している翻訳サービスみたいなものが高精度になって、日本語を他言語にきっちりしっかり訳してくれるようになったら話は別だけども、なかなかそんな風になるとは思えない。Googleをはじめとして、いろんな翻訳サービスで翻訳させてみても、困ったなあというような結果が出ることが多くて、欧文系の相互翻訳は結構な精度が期待できるけれども、少なくとも日本語に関してはあまり期待できそうにないというのが私の印象です。高度な人工知能が出現するとかしないと、適切な翻訳がなされることってきっとないんじゃないかあ、とか思っています。

 さて、ここで本題なのですが、こととねはありがたいことに多言語サイトからリンクされておりまして、そのおかげで他言語話者、より正確にいうと、日本語のわからない人がちょくちょく訪れてくださるのです。地域はかなり広範で、北南米そしてヨーロッパが主でしょうか、いずれにせよ日本語はきっと読めない、わからないという人がいらっしゃっているわけです。

 で、そういう彼らの足跡が残されているのを見るたびにですね、なんだかすまないなあなんて思います。トップページにはAu coin du mondeの文字もあって、フランス語コンテンツへのリンクも用意されているのですが、おそらく、というかきっと、意味不明ちんぷんかんぷんの日本語の中に欧文を見つけて、そのリンクをたどろうという人はいないと思うんです。だって、私が例えばアラビア語とかのまったく手も足も出ないサイトに遭遇したとして、そこから理解できる文字列、おそらくそれは英語とかになると思うのですが、を見つけて、たどるかというときっとそういうことはしない。見た瞬間に、わお読めないや、と思って後戻りすると思います。そんな感じに来てすぐ後戻りする人が、こととねの来訪者にはたくさんいらっしゃることと思います。

 こういうときに、flickrへのリンクを見つけてくださると嬉しいかもとは思いますが、これもきっと見つけてくださる可能性は極めて低く、なにしろあれは写真ですから、言葉の壁を越えるでしょう。でも、その前に言葉が壁になっているのだから、つくづく残念だなあと思うのです。


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公開日:2006.06.04
最終更新日:2006.06.04
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