非常に厳格に自己を規定してきた過去があり(4-XI)、現在は自己の意識による束縛(1-S8R)から解放されつつあるが、その解放は不完全であり中途半端である(2-XII)。人付き合いの未熟さ、経験のなさが問題の根本にあり(3-P3R)、そのため人と親しくなることに不満あるいは絶望を抱いている(5-P10R)。このままいくと、将来が暗いものになるおそれがある(6-S10)。
本人は意識の非常に際立った青年として活動的であるのに対し(7-SN)、それに応えられるだけの準備が周囲にはない、あるいは自分のもつ甘い理想が実現される可能性を周囲に対して見い出せない(8-SPR)。
全体を見渡すと、本人に関係あるものに対して剣が出ており、問題となるところにはペンタクルスが出ているところから、意識、理想が非常に強く、その自己の意識の規制によって物質的、現実的満足を得ることはかなわない(ペンタクルスは全部逆位置で出ていることにも注目する)、意識先行型の自縄自縛的な傾向が見える。
願望、意識の行く末を示す恋人たちは、「意識(理想)」と「現実」の不和に対する判断(二者択一)を迫るような出来事が近く起こる可能性の示唆、あるいは理想ばっかり追っていてはよい結果など得られるものではないから、さっさと現実に歩み寄るべきというアドバイスであり、魔術師は意識や現実の側面など、現在不和を起こしている要素を統合することによって新しい動きが得られると告げている。
5 10 9 4 1, 2(横) 6 8 3 7