続メトロノームのすすめ

 DCS定点観測第19ヶ月目の反省と思って書き始めたこの文章。メトロノームを使った練習の重要性についてはもう書いてしまっていたから、題して続メトロノームのすすめ。

神経のつながりを確かにする

 神経のつながりについても以前書いていたが、今回はその方法のついてもう一歩踏み込んでみようと思う。というのは、先達ての録音を聴いてくださればわかることだが、途中途中にとまる個所が何度かある。このみっともない個所を克服するにはどうしたらよいかという方法を考えていて、以前書いたふたつの文章をリンクさせることになってしまった。

 なぜ止まるかが問題なのだ。理由は簡単で、左手のフォームチェンジが難しいから。フォームが難しい、それにてこずるのは当然だが、しかしそれを当たり前にしていてはならない。なんとかして、素早くフォームチェンジできるようにするにはどうしたらいいのだろうか。

 実はこのフォームだけを単体とりだして練習しても意味がない。重要なのはフォームを押さえられるかどうかではなくて、前後のフォームも含めた流れの中で速やかに移行できるかどうかである。だから、問題のフォームだけを単品とりだしても意味がない。前のフォームからどのように指を動かして、可能な限り短い時間で移行を完了するか。全体のなかでの動きを捉えなければならない。

 この練習にはメトロノーム練習が有効だ。とにかくゆっくりからスタートする。ゆっくり、ゆっくり弾いて、そのゆっくりのテンポの中で止まらずフォームチェンジできるようにしなければならない。これをもしメトロノームを使わず、自分の自由なテンポの中でやったらどうなるか。単純な話で、フォームのチェンジに時間をかけてしまうのだ。問題の個所で時間が引き伸ばされてしまう。で、そこだけゆっくり時間をとって、のんびりとフォームを変更して、結果はいつまでたってもスムーズなフォームチェンジができないということになる。

 こうした練習で得られるのはなにかというと、フォーム変更に時間をかけるという癖だけだ。そしてそういう癖というのは、そういう風に神経が繋がってしまったから発生するといってもかまわないと思う。

とにかくイン・テンポ

 練習はとにかくイン・テンポでなされなければならない。テンポさえしっかりしていれば後から揺らすことはいくらでも可能であるが、テンポがめろめろである場合、イン・テンポの振りはできない。そして、イン・テンポを崩さないように練習することは、フォームの移行にかかる動作の整理をするのに非常に役立ってくれる。

 いくらゆっくり弾いているからといって、フォームチェンジをする時間は限られている。その限られた時間を有効に使うべく、テンポを落としたことで生じた余裕を利用して、工夫するのだ。一度の成功で満足するのではなく、何度も繰り返して、短時間での移行を身体に覚えさせる。できるようになれば、質を高め、速度を徐々に上げていく努力をする。しかし、まず最初にはゆっくりでもイン・テンポでできるようにする必要がある。

 以上、現在における練習指針とする。


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公開日:2006.06.24
最終更新日:2006.06.24
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