チューナー:Aria ET-3000

 チューナーを買った。AriaET-3000。クリップ式になっていて、ギターならヘッドに着けっぱなしにできるのが便利だ。今になってこれを買った理由は簡単だ。ステージ上でのチューニングにおいて、これまで使っていたチューナーでは不便がある。だから、クリップ式のチューナーを導入しようと思っていた。それだけの話だ。

非クリップ式の不便

 私はKORGOT-12持っており、もちろんET-3000購入後もこれをメインのチューナーとして使っている。しかしそれは普段の話である。肝心な時、ステージの上では使えない。そう思ったのは昨年の空港コンサート、ステージ上にて。開放空間ではギターの音は簡単に散ってしまって、OT-12に内蔵されるマイクはまったくといっていいほどに無力だった。音が入らない。ある程度予測された事態だから慌てはしなかったが、普段とは違う場所でのチューニング、頼りは自分の耳だけという状況で、多少手間取ってしまうのも仕方がない。

 OT-12にはインプットジャックがあるので、ピックアップないしはマイクで拾った音を入れてやればいいという考えもないではないが、私の今使っているギターにはピックアップなんてついていない。じゃあマイクといっても、チューニングのためにマイクを持っていくのはナンセンスだし、繋ぎ直すのも手間だし、フットペダル導入だなんて、そんなことで荷物増やすのもいやだし、じゃあクリップ式か。実に単純な結論だったというわけだ。

クリップ式の優位

 クリップ式は、マイクではなくそのクリップから伝わる振動でもって音程をとるという仕組みになっている。有名どころではKORGAW-1セイコーSTX1、もちろんYAMAHAも出している。私はこれらをWebでざっと調べて、けれど実際の使い勝手などはわからない、なら楽器店で聞いてみようと思って、ちょくちょく顔を出している楽器店で、クリップ式チューナーを買おうと思うのだが、おすすめみたいなのはあるだろうかと問い合わせてみた。そうしたら出てきたのがAriaだった。値段にして三千円弱と、他のものに比べてリーズナブルで、しかしそのわりにしっかり作ってあるとの話だった。それにこれには売りがあって、普段は赤いインジケーターだが、チューニングが合うと緑に変わるのだ。ああ、これは確かに便利かも知らんね。一応、AW-1と比較して、クリップのばねの強さにひるみつつも、まあKyserに比べればまだましかと思い直して、これに決定。その日は手持ちがなかったので、翌日再訪して購入した。

使い勝手

 使い勝手は悪くなかった。ボタンは四つ、電源ボタン(入力切り替えを兼用)、モード切り替えボタン、そしてキャリブレーションがふたつだ。電源ボタンを押すとクリップ入力になり、もう一度押すとマイク、さらに押すと電源が切れる。正直、マイクを使う気はないのでちょっとまどろっこしいと思ったり。モード切り替えは、ギター、ベース、ヴァイオリン、そしてクロマチックの切り替えで、カポを使わないならギターで、使うならクロマチックにしておくとよさそうだ。なお、電源を切ってもモードは記憶されている。

 あ、マイクを使うシチュエーションがあったわ。他の楽器と合わす場合、たとえばピアノがあると基準音はピアノに合わせなければならない。もし調律師がいれば、Aがいくつか聞けばすむが、いつもそんな恵まれたシチュエーションであるとは限らない。ということは、マイクでピアノの音を拾い、Aの周波数を決定してやらんといかんわけだ。というわけで、マイクは必要です。

 ヘッドにチューナーを取り付け、弾いてみれば確かにクイックに反応する。インジケーターが赤から緑に変わるのも実際わかりやすい、とはいっても緑になった程度ではまだ音はあっていない。というか、まっすぐ真ん中に針が指したとしても、まだ誤差がある。カタログスペックではチューニング誤差は±1セントとあるが、1セントの差は大きすぎる。結局微調整は耳でしてやらないといけない、とはいってもどんなチューナーでもそれくらいの測定誤差は持っているので(スペックを見ると書いてある)、特にこのチューナーに問題があるというわけではない。

 一週間ほど使ってみて、この便利さにすっかり参ってしまった。それこそ常用しそうな勢いで、OT-12はA音の発信にしか使わないみたいなことにでもなればもったいないな。しかしもったいないとはいえ、クリップ式チューナーが便利なのは確かなのだから、その便利を発揮しないというのもまたもったいないだろう。

 あ、そうだ。電池はCR2032、ぺったんこのリチウム電池なので、下手をすると出先では手に入らないかも知れない。予備を持っておかないと、いざという時に危ない。


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公開日:2007.12.05
最終更新日:2007.12.05
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