私はこんなことをいっていた。
私の他の楽器、アリアのドレッドノートもエピフォンのレスポールもミディアムスケール。
けれど、これは図らずも嘘なのだ。いや、もう勘違いというやつ。なので、ちょっとギターのスケールについてまとめてみた。
ギターのスケールといえば、レギュラースケール、ミディアムスケール、そしてショートスケールばかりと考えてたのがそもそもの大間違いだったといえる。ちょっとこの三つのスケールをまとめてみよう。
スケール | インチ | ミリ |
---|---|---|
レギュラースケール | 25.5 | 648 |
ミディアムスケール | 24.75 | 628 |
ショートスケール | 24 | 610 |
ちなみに1インチは25.4mm。インチに25.4をかけるとちょっと誤差が出るけど、このへんは気にしてはいけない。
私がAD-35をミディアムスケールと思っていたのには訳があって、それは大学で教員に触らせてもらったエレキギターのフレット幅が、いつも弾いているAD-35よりも広くて驚いたことがあったからだ。AD-35がショートスケールとはさすがに考えなかったので、これはミディアムだろうと早合点した。ここに誤りがあった。
この間、試みにAD-35の弦長を計ってみたときのことだが、明らかにミディアムスケールより長かったのである。スケールを測るときはナットから12フレットまでを計るのが分かりやすい。ミディアムスケールなら314mmとなるはずが、明らかにそれより長かった。じゃあ、レギュラースケールだったのだろうか。いや、レギュラースケールでもなかったのである。
前述のレギュラーやミディアムというスケールは、あくまでエレキギターのものだったのだろう。レギュラーというのはフェンダー社の標準スケールだからであり、別にロングスケールともいう。ちなみにギブソン社の標準はミディアムだから、ミディアムスケールを特にギブソンスケールという人もいるようだ。でも実際のところはよく分からない。
さてさて、前述のスケールがエレキギターのものだというなら、フラットトップギターのスケールはどうなのだろう。これは実に簡単で、フラットトップギターのスケールは、あの偉大なるマーチン社のものがベースになっている。
私のAD-35は、いうまでもなくマーチンD-28のコピーモデルであって、D-28のスケールは25.4インチ=645mm。だもんだから、世の中の大抵のフラットトップギターは、弦長645mmで作られている。
以上、うちのギターは、エレキこそはミディアムスケールばかりだが、フラットトップはマーチンと同じスケールという話だった。
なお、レギュラースケールとマーチンのスケールの差はわずか3ミリ。この3ミリの幅が一体どれほど違っていたというのだろう。多分スケール幅だけでなく、ネックのシェイプなどの違いが複合的にかかわって、あの時のギターを思い違いさせたんだろう。