アンサンブルの話の続き。私はなんでか、ピアノと一緒にやることになって、っておい、二胡はどこへいったんだ? ともあれ私はピアノと一緒に演奏することに決まったらしい。
決まったのはいいのだが、そもそも私は伴奏ギタリストとなるべく練習を続けてきたのであって、つまりはメロディを弾くような練習はしていないのだ。もちろん、単音弾きをちょこちょこやったことはあって、けれどそれは遊び弾きだ。きちんとやったというものではなく、だから私は自分にはメロディは無理だと思っている。将来にはどうだかわからないが、少なくとも今は時期が早すぎる。
そんな状態でピアノとギターが二重奏をするというのなら、つまりそれはギター伴奏のピアノソロというわけか――。目茶苦茶だな、そもそもそんな編成ってあるのか?
私は、アンサンブルは対等の関係であればあるほど面白いと思っている。伴奏楽器が旋律を受け持つことはもちろん、純然たる旋律楽器が伴奏に回ることもまた面白く、いやアンサンブルというカテゴリにおいては、伴奏役や旋律役といった枠組みは意味を成さないと思っている。――そう思うんだったら、文句いわずにメロディも弾けよ。
そんなわけで、メロディも弾くはめになりそうな雰囲気だ。幸い私はスケールの練習をしてきたので、とりあえずまったく弾けないということはないだろう。ないだろう――が、問題はそれがうまく弾けるかどうかである。
正直、自信がないんだよな。いや、伴奏になら自信があるなんて、これっぽっちも思っていませんが!