左手指先

 今日仕事中、左手指先がぱっくり割れた。多分真皮が見えている。割れたといっても2ミリ程度のものだから大したことはなく、痛みも特にない。押しても無痛、けれど開けばちょっと痛いなあ。

 この割れの原因は、押弦するために左手指先の角質が表皮角質が固くなってしまって、その周辺の柔らかい部分と違ってしまったせいみたいだ。とまあ、割れるというのはよっぽどだが、ギターを弾きはじめてから左手指先の困ったことが色々あって、いや、困りはしないか。ともかく、割れたりするのはちょっといやだなという話だ。

左手指先の変化:初期

 ギターを弾きはじめた当初は、二六時中左手指先が痛くて本当に困った。体質がそうなのか指先に弦跡が消えなくって、じんじんと鈍く痛んでいた。いずれ慣れるだろうという予測は正しくて、よっぽど長く弾いた翌日なんかは別だが、直きに痛みが気にならなくなってきた。

 けれどしびれたみたいに指先感覚がなくなっていた時期が長かった。押さえてもものを持っても、指先の感覚がなくてよく分からない。今はこのしびれも消えたが、このしびれにはずいぶんと悩まされた。

趣味の対立

 左手指先の感覚が鈍くなるというのは、私のもうひとつの趣味である書において大きな問題となった。いうまでもないことだが書は和紙に書かれ、和紙には裏表がある。裏はざらっとしていて、平滑な表面に字を書く。この紙の裏表が分からなくなってしまった。

 右手で触ればいいというようなものだが、右手には筆を持っている。書くごとにいちいち筆を置くのは効率が悪く、持ちっぱなしにしていたい私は、そのせいでよく裏表を間違えた。ギターをはじめる以前には、一度も間違えたことがなかったんだぜ。書き始めてみて、なんか感じが違うぞ、あぁ裏っかわじゃないか…… どんなにうまく書けていても没だ。ショックで打ちひしがれた気分になれる。

 加えて、紙をめくりにくくなったのもある。漢字を書く紙は厚手でこちらはなんとかめくれるのだが、かなの薄い紙は本当にめくりにくい。以前からめくりにくかったのが輪をかけてめくれなくなり、なんか紙の色が濃いなと思っていたら二枚重なっていた。書く前に気が付いてよかった…… なのでこのことではまだ打ちひしがれていない。

左手指先の変化:現在

 今はもうしびれもとれた指先だが、割れてしまったことは最初に述べた通り。しびれがとれても、指先の表皮が厚くなったために紙がめくれず裏表がわからないことは変わらず、最近では面倒くさがらずに右手も使うようになった。

 さて、ほんのわずかの割れで痛みもない左手指だが、これからギターを弾くのに第1弦2弦くらいの細い弦が傷口に入ったら、きっと痛いだろうな。すごく困るだろうな。

 なのでできるだけ指先で押弦したいと思う。割れたのは指の腹側なのだ。


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公開日:2003.09.11
最終更新日:2003.09.11
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