フラメンコ・レッスン:練習風景その3

 前回のレッスンで指摘された、親指によるダウンストローク、アルサプーアがきちんとすべての弦を弾けていないという問題を解消すべく、アルサプーアをこと念入りに練習してみたところ、あっという間に練習不能になってしまった。その顛末。

右手親指を痛める

 以前、私は自分の弾くギターの音が軽く、浅く、弱いことに嫌というほど気付かされたといっていたが、一体その原因はなにであるか、アルサプーアの練習をすることではっきりとしたと思う。それは、やはり弾く力だ。いや、力というのは違うかも知れない。より正しくいうなら勢いだろう。弦を弾き、通過していく指の勢いが弱かった。そのため楽器を鳴らしきることができず、その結果、音も軽いものでしかなかった。

 アルサプーアは親指によるダウン及びアップストロークを用いる技法であるが、私はこれがうまくできていなかった。親指のダウンはすべての弦、特に高音弦を鳴らすことができず、それはつまり最初に触れた弦で勢いが殺され、弾ききることができていないということだ。まず大切なことは弦を最後まで弾ききること。そして、その弦を通過していく速度をあげる。この2点を意識することで、弦をしっかりと鳴らすことができるようになるわけだ。

 しかし、ここに落とし穴があって、親指の弦に触れる部分にかかる負担が半端ではないのだ。私はこれまでメインにスチール弦のギターを弾いてきて、だから親指といわず指先はナイロン弦になど負けないと高をくくっていたがそれがうぬぼれだと痛感した。まずは軽い痛みだったのが徐々に無視できないほどになり、そして最終的には豆になった。真皮から表皮がはがれ、水が溜まっている。この状態で練習を続ければ豆がつぶれることは必至と判断し、一旦アルサプーアからは離れたのだが、しかし親指が使えないではできることが限られる。こうして思わずギターの練習から距離を置くこととなってしまった。

 しかし、こうもたやすく豆ができるとは思わなかった。今までどれほどしっかり弾けていなかったかがわかるというものだ。


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公開日:2007.07.05
最終更新日:2007.07.05
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