弦を切る

 弦を切るといっても奏法としてのカッティングの話題ではなく、純粋物理的に弦を切ってしまったという話だ。しかも弦張り替えの最中に自ら切ってしまうってどうよ。切ってしまった弦は一番ゲージが細い第1弦で、けれどそんな簡単に切れるようには思えないのだけど、切れるときには一瞬だ。

弦を張る際の色々

 弦の張り替えは、一般に言われる弦の耐久限界である総演奏時間24時間を目安に、二週間ごとに実施している。

 弦の張り替えは、

など、チューニングの安定と音質の劣化のないように気を使いながらの作業であり、とまあいえば大げさだが、誰もが普通にやってることばかりだ。ストリング・ワインダーを使って一気に巻けるようになって、作業効率はあがったし、弦の巻くピッチも安定するようになった。

 弦を切ったのは、この最後の弦を引っ張る作業の際だ。私は張り替えながら簡単にチューニングもしていて、第1弦を張ったとき、すでに巻きすぎていたことには気付いていたのだけど、ここで引っ張っとけば引張力を節約できそうだと、訳分からんことを考えたのが命取りで、弦の引張限界を超えて簡単に切れてしまった。

 ここで選択肢はふたつ。

  1. 新しいセットから1弦を抜く
  2. 今はずしたばかりの1弦を再使用

 新しい弦を使うときっとそれが一番いいのだろうが、それだと次の張り替え時に困る。J. D'Addarioの弦はセットごと一袋にまとめられいるので、第1弦だけ使うにも全部の弦を袋から出さなければならない。酸化したら嫌だな――

 仕方がないので、不本意ながら今はずしたばかりの弦を、もう一度張ることに決めた。

 張り替え時に古い弦を切ってしまう人もいるが、私は切らずそのままはずしている。切らずにいて、本当によかった。

結果

 弾いてみて実はさして違いは感じない。音は細いが第1弦は最初から細いし、ただ指にはちょっと固いかも知れない。

 ただ一本三週目に突入する第1弦だが、はたしてこの後二週間を耐えるだろうか? なので、最悪三週目時点で以前にはずして残してある弦に替えることにしよう。

 しかし、なんかけちくさい話だな。

おまけ

 古くなった弦は煮込んでから干してやることで復活すると聞いたことがあるのだけれど、本当だろうか?

 J. D'Addarioのエレキギター用の弦には、おまけで第1弦が2本入っていたりするらしいけれど、ブロンズワウンド弦にはそんなサービスはない。ちょっと悲しいな。


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公開日:2003.08.09
最終更新日:2003.08.09
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