きみもハッカーになれる

騎士の領地は決まりがいっぱい

――続Vine Linuxのバージョンアップ

インストールがようやく完了

 インストール中にもかかわらず八時間放置され続けたFM V。もしかしたら、インストール終了後のいろいろが時間切れになっているのではないか、あるいは固まっているのではないかと怖れながら帰宅。しかし、Linuxは僕の考えている以上に堅牢。起動ディスク作成のダイアログを出したまま、平気の平左で待機していました。

 正直、これには驚いた。

 もしもの時のための保険にと起動ディスクを作成したら、いよいよVine Linux 2.5の起動です。IDE、SCSI混在でもなんの問題もなく立ち上がります。よかったー。

各種設定、やってみよう

ローカルホストの設定

 Vine 2.1.5では、インストーラがローカルホスト名を聞いてくれて、自動で設定してくれたのですが、Vine 2.5のインストーラはそのダイアログを出さなくなったようです。当然、ローカルホストはlocalhostのまま、これってちょっといやな感じ…… というのも、プロンプトが [username@localhost current_directory] になってしまって、これじゃなんかつまらないです(いや、本質的な問題ではないんだけどさ)。

 なので、さっそくコントロールパネルからNetwork configuratorを開き、Vine 2.1.5でインストーラが設定してくれたように設定。自分好みの名称に変えてしまいました。

 その後、一応再起動をします。別にマシンごと再起動する必要もないと思ったのですが、やはり慣れないうちは基本に忠実であろうと――いや、これが基本かどうかも分からないのですけど……

プリンタ問題の解決

 次はいよいよプリンタの設定。やり方はVine 2.1.5においてのそれと同じですが、Vine 2.5では、それが通じなくなったんですよね。もしかしたら前回インストール時には、おかしな設定をしていたのかも知れない。とのわけで、わざわざ2.1.5を再インストールして、設定を確かめたのでした。なので、今回はうまくいくと信じたい。

 けれど、世の中というのはかくも無情なもので、結局前回と同じ結果になったのでした。つまり、/dev/lp0 は認識されプリントジョブも作成されるというのに、そのジョブが肝心のデバイスに送られている形跡がない。なんでや?

 そういえば、気になることがひとつありました。Linux起動時に、lpdが変なことをいっていたような気がします。

lpd起動時の警告
Warning - lp:cannot open lp device '/dev/lp0' - Permission denied

 これを見るかぎり、lpが/dev/lp0 を開けない模様。パーミッションが与えられていないってどういうこと……? つまるところ、/dev/lp0 のパーミッションを変更してやればいいのでしょうか? パーミッションの変更はchmodでできます。でも、誰に対して? lpに? lpって誰?

 ここで行き詰まってしまった僕は、ついにメーリングリストに助けを求めました。こんな初歩的な質問で、でもそれがどうしても分からない――肩身が狭いです。

 ほどなくして、二件のリプライがありました。ひとつは、/dev/lp0 のグループを、daemonからlpに変更するというもの。これで、lpd起動時の警告は出なくなるそうです。そしてもう一件は、同様の問題に遭遇したという方から。その方のおっしゃるには、/var/spool/lpd のパーミッションを、

drwxr-xr-x    3 root     root         4096 Apr 21 11:39 /var/spool/lpd/

から、

drwxrwxr-x    3 root     daemon       4096 Apr 21 11:39 /var/spool/lpd/

に変更することでプリント可能になったとのこと。spool の問題も疑えるということでしょう。

パーミッションを変更してみた

 まず僕は、同様の体験から脱したとおっしゃられた後者のやり方を試してみることにしました。まず/var/spool/lpd/ のグループを、root→daemonに変更します。ktermを立ち上げ、su でスーパーユーザになった後に、# chgrp daemon /var/spool/lpd/ と打ち込みます。次いで、グループに書き込みの権限を与えます。# chmod g+w /var/spool/lpd/ です。

 printtoolを立ち上げ、lpdの再起動後、テストプリントを実行しました。ですが、残念なことに、まだ駄目なようです。となれば、前者の方法も試してみましょう。

 ktermをもう一度立ち上げてsu 。今度は# chgrp lp /dev/lp0 です。大事をとって再起動しておこうと、# shutdown -r now としたところ、その終了プロセスの途中で突然プリンタが起動。先ほどのプリントジョブを印刷し始めました。

 テストプリントは二回行ったはずですが、出たのは一枚だけ。きっと一枚目しか認識されてなかったんだろうなと思い込んでいたら、それが大間違い。lpdが立ち上がると同時に二枚目のプリントが開始されてまた驚かされました。

 Login画面も出ていないうちに印刷開始とな。正直、Linuxの底力に驚愕でした。

 さて、無事プリンタ問題が解決したとのことをメーリングリストに報告。こんな駄目な質問でも、もしかしたら誰かの役に立つかも知れないと、自己弁護じみたいいわけをしておきましょう。それと、MLの皆さんには感謝を惜しみません。助かったうえに、勉強になりました。

LILOの設定

 ブートローダーとして、僕はLILOを使用しています。これはVine 2.1.5使用時でも同様で、そのためLILOが気を利かせて、旧バージョンの設定も残しておいてくれました。でも、その設定は必要ないんですよね。旧い設定で立ち上げようとしても、肝心のカーネルがそこにはないわけですから。

 というわけで、LILOの設定をちょっといじりましょう。

 Vine 2.1.5では、LILOをはじめとする各種設定を、linuxconfで行っていました。ですがVine 2.5では、linuxconfがWebminに置き換えられている…… じゃあ、Mozilla上で設定を行うわけ、ですか?

 Mozillaは非常によいUAであり、僕の好きなもののひとつであります。でも、少々重めなんですね。1.0では最適化されて軽くなるとのことですが、Vine 2.5に収録されているのは0.98、しかもCPUがPentium 133MHzときた。かなり重い、ものすごく重いです。

 ここで注意するべきは、ローカルホスト名を変更してしまっているということ。Webminへのブックマークが、利用できなくなっています。なので、設定に応じたURLを手で打ってやる。これ自体は、さほど難しいものではありません。

 Mozillaの重さに堪えながらLILOの設定画面を呼びだして、旧い設定を削除します。ですが、これではまだ不充分。LILOの再インストールをしてやらなければなりません。GUI環境からCUIに移行して、rootで入る。そして# lilo とタイプ。これで、無事LILOがインストールされました。# lilo -q で、設定が反映されていることを確認。以上でLILOに関しては終了です。

Netscape Communicatorを導入しよう

 Vine 2.5のデフォルトブラウザがMozillaになったというのは、時代の趨勢として非常に自然なことだと思います。ですが、Pentiumにはやっぱり重すぎる。ということで、Netscape Communicatorをインストールしてみることにしました。

 NCの最新バージョンは4.79のようですが、ここはRedHat系Linuxを使っている利点を満喫しようと思い、VinePlusで提供されているバージョン4.78のrpmパッケージをインストールすることに。となれば、まずはダウンロードしてやらないといけません。

netscape-4.78-0vl2.i386.rpmのダウンロードとインストール

 rpmファイルをダウンロードする際、どうせならコンソールでの操作に慣れようとlftpを立ち上げてみたのですが、一体なにが悪いのか、うまくダウンロードできませんでした。lsさえ出来ないといった有様で、仕方がないとMozillaでアクセスしてみたものの、Vine Linuxサイトで紹介されているFTPサーバにつながらない。Macintoshからだったらつながるのに…… 一体なにが悪いんだろう?

 仕方がないから、gFTPでアクセス。したら、あっさりとダウンロードできました。

 rpmパッケージの置き場所は、RPMによるパッケージ管理を参考に、/usr/local/src にしようとしたのですが、どうやらここに一般ユーザはファイルを置けないみたいです。仕方がないから、自分のhomeに置くことにしましょう。

 homeを見回してみると、なにやらrpmというディレクトリがあります。なんだ、ちゃんと置き場所が用意されているんじゃないですか。その以下にはRPMSやi386など、どこかで見たようなディレクトリ構成が見つかります。なので、それに応じた位置にダウンロードしてやればよいようだと分かりました。

 ダウンロードは、七分ほどで終了。あとは、ktermを立ち上げて、su# rpm -ivh netscape-4.78-0vl2.i386.rpm でインストール完了。rpmってやつは、ものすごく便利ですね。

Netscape Communicatorを使ってみよう。

 インストールが完了すれば、WindowMakerを再起動。自動生成メニューを見ると、ネットスケープの名がちゃんと書き込まれていました。

 Netscapeを立ち上げてやれば、後はもういつもの通りです。キャッシュやらなんやらに関する警告が出て、適当にはいはいと相づちを打ってやれば、もう使用可能。本当にrpmというやつは便利です。

 普通のWebサイトをめぐるには、Netscape Communicatorでも充分といえるでしょう。中には、NCでCSSを読み込めないようにしている陰険なサイトもありますが(って、そりゃうちだ)、NC最大の問題であるCSSの実装不足に惑わされることなくきっちり読めるので、むしろ問題なかったりするのであります(この考え、偏ってますでしょうか?)。

 しかし、NCのデフォルト背景色、好きです。あの、ちょっと深めのグレー。あの色をこそ、WWWのデフォルトカラーと思うんですよね。

 ともあれ、無事Vine Linux 2.5のインストールが完了しました。あとは、前々からいっている、各種サーバの運用実践が課題となりましょう。

Linuxに関する今後の予定

余談

 うちのLinux機は、内蔵ハードディスクを露出させているので、動作中はとにかく回転音がすごい。飛行機のエンジン音を遠くに聞くがごとし。高周音が、さすがにちょっとうるさいんだな、これが……


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公開日:2002.04.24
最終更新日:2002.05.07
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