ハードディスク壊しちゃった

 私は長くコンピュータを使ってきている割に、トラブルに巻き込まれたという経験はあまりないんです。なんでかというと、ひとえに無茶をしないという性質のためじゃないかと思うんですが、まあ、コンピュータのできる範囲というのをちゃんと把握して、そこから逸脱できない程度の利用でとどめておけば、自然トラブルなんて減るもんです。

 ところが、今回はやってしまった。ちょっと録音なんてしてみたいなと思ったのが運の尽きはじめで、家のコンピュータで比較的いいマイクがつながるのがPower Macintsh 7500だったというのもまずかった。未開封のPlain Talk MicrophoneをPM7500に繋いで、ハードディスクに録音するソフトウェアをダウンロードしてきて、けれどこういう無茶をしようというところに間違いがあるんですね。そもそもPM7500の時代は、ハードディスク録音なんて専用ハードを買ってきてやるような、非常に高度なことだったというのを忘れていたのでした。いや、もちろんそのままのハード構成でもできなくはないんでしょうが、よほどの注意が必要な、危険な代物だというのを忘れていたんですね。

 ソフトウェアというのは、弦楽器の製作をしているクレーンの鶴田さんが作った、TSULTRA Zarzuela。なんでこれにしたかというと、稼働実績があったからです。iBook G4のクラシック環境で無事動いて、録音できたという実績があったからです。そしてFATバイナリで供給されているというところもよかった。68K Macintoshでの利用も可能ということは、まずPM7500で問題が発生するということはないはずです。

 とまあ、これをダウンロードしてみて、さすがに起動ディスク上でハードディスクレコーディングするのは危険だと思ったので、内蔵の二台目にソフトをコピー、起動させてみました。思えばこの判断が後処理を簡単にしているわけですから、まあ、最悪の事態を避けるという点では正しかったと思います。

 TSULTRA Zarzuelaアイコンをダブルクリックしてみたまではよかったのですが、ここから先がどうもおかしかった。ハードディスクの回転音がやけに大きく、ソフトも全然立ち上がってきません。以前iBookで試したときはあっという間に立ち上がったのに、なんか変だなあと、あれこれキーボード操作してみたりして、こういうところにすでに漢字Talk 7を触っていた頃の勘が失われているとわかります。OS Xではアプリケーションの起動中でも平気で他の操作ができますから、そのつもりでいろいろやってしまって、結局ハードディスクが回転したまま暴走? したのかな。あるいはじっと待っていれば問題なく立ち上がってきたのかもわかりません。

 起動中のアプリケーションを殺そうと思って、Command-Option-Escをしたのは致命的でした。起動中のアプリケーションが対象になるのではなくて、Finderを終了するかとのダイアログが現れたんですね、もちろんこれはキャンセルです。ですがどうも様子がおかしい、仕方がないのでCommand-Control-Powerキーで強制的に再起動。ハードディスクが回転中だったのは気になりましたが、ヘッダの退避が行われることと高を括っていました。

そしてHDDは死んだ

 再起動がすんでも、一向に使用可能状態になりません。ハードディスクの認識に手間取っているようで、えらく時間が経ってから、読めないディスクがあるのでフォーマットするかとのダイアログ。もちろんキャンセルです。ああ、しまった、HDDを壊してしまった。ノートンは持ってないし、どうしようか。と、ここは困ったときのDisk First Aideです。Disk First Aideは問題ドライブをちゃんと確認してくれたので修復を選択。壊れているのはカタログファイルであることがわかり、修復できないことも同時にわかりました。

 この時点でマウントできるまでに回復していたので、データを確保します。中身が空になってしまったフォルダはふたつ。ひとつはTSULTRA Zarzuelaだから問題ないとして、もうひとつも、まあいいやなんだか知らん。そしておもむろにディスクをフォーマット。しかし論理フォーマットだけでは埒が明かず、ディスク使用不可状況から脱することができませんでした。仕方ないから物理フォーマットに踏み切って、その際ついでに0クリアさせてみたらフォーマットに失敗。書き込みエラーが発生している模様です。

 0クリアのチェックをはずし物理フォーマットを継続。数時間経ってようやく物理フォーマットが終了して、見た目には問題なくなったように見えます。けれどディスクのチェックをすると異常と診断されるんですね。でもまあいいやと、試しに退避データを書き戻したら、えらく手間取った後にディスクエラーと表示され、継続は断念せざるを得ませんでした。

 えー、ハードディスクを破壊するにいたった経緯は以上です。壊れたのはApple(Quantum)製 Internal 3.5inch SCSI HDD 2GBでした。代替部品を探そうにも、市場にあふれているような製品ではないから、中古のパーツ屋をあたるしかなくって、今までそんなことしたことないから勘がつかめず途方にくれる始末。しかし、これってDOS/V用のHDDでもつながるのかな。あるいはメインマシンじゃないから、このままでいいといえばいいし、内蔵1GBの他に外付け2GBもあるから特に問題ないともいえるし―― ああ、もう面倒くさいなあ。

 コンピュータはなにかあったときの面倒くささが、他のものとは比べ物にならないところが嫌ですね。けど、もうなかった昔には戻れないのですから、この面倒くささにはこれからもずっと付き合っていかないといけないわけです。特に、コンピュータの重要部品であるハードディスクが一番壊れやすいというのも、なんというかコンピュータの面倒くささに拍車をかけていて、この先またディスク破損が起こることなどを考えると、再セットアップやらなんやらかんやら、もう考えるのも嫌になります。

 ああ、コンピュータなんかはじめっからなかったらよかったのに!


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公開日:2004.11.23
最終更新日:2004.11.23
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